バスフィッシングのプロアングラーとして活動しながら、ルアーメーカーの代表取締役社長も務める川村光大郎さん。川村さんが得意とする「おかっぱり(=岸釣り)」は水際はもちろん、未舗装路やブロック護岸など、さまざまなフィールドへのスムーズなアクセスが必要不可欠です。
「ヴィブラムを搭載したシューズなら、“もう一歩”を躊躇なく踏み出せる」という川村さん。彼にとってヴィブラムとは、目指すバスフィッシングを実現するための頼れる相棒だったのです。
−− ヴィブラムとダイワが共同開発したソールを持つフィッシングシューズ「フォグラー(DS-2301G)」。ずばり、履き心地はいかがですか。
川村
もちろんすべてのフィッシングシューズを履いてきたわけではありませんが、プロとしてこれまで数多くの靴を試してきました。その中でも、ダントツの履き心地だと思います。
−− 具体的にはどのような点が優れているのでしょう。
川村
まずは滑りにくいこと。バスのおかっぱりに関して言えば、斜めの場所を歩くこと、立つことが多いんです。ひと口に斜めと言ってもコンクリート護岸もあれば、溶岩帯や岩場のような場所もある。あらゆる路面状況、あらゆる傾斜角度に対してしっかりとグリップする、素晴らしいソールだと思います。
「フォグラー」は防水透湿性能や耐久性も含めて、トータルで素晴らしい出来栄えのシューズ。でも「この新しいヴィブラムのソール」という一部分だけを切り取ってみても、十分に履く価値があると思います。安心して水辺に立ち、安全に遊ぶために、ソールというパーツはとても重要なんです。
−− ヴィブラムを搭載した以前のシューズから、進化は感じますか?
川村
明らかに、大きく進化したと思います。グリップ力に加えて、柔軟性や軽さもきわめて優秀。釣りというシーンにより高度にフィットするカットパターンを備えた、まったく新しいソールです。このシューズの開発に携わるなかで、私自身、ヴィブラムというブランドのポテンシャルの高さを実感しました。
この「フォグラー」は昨年5月に発売され、私の周りでも着用者がじわじわと増えてきています。釣り人というのはタックルの使い勝手に関してとてもシビアな人種。効果があると聞けば積極的に試して、実際にメリットを感じれば使い続けるもの。今、確実に支持されているシューズです。
−− シューズの安全性や機能性は、釣果にも具体的な影響をおよぼすものでしょうか?
川村
必然的にそうなってくると思います。例えばですが、水辺に張り出した倒木の上に乗ることで、ポイントに近づける場合もある。プライベートの釣りでも競技でも、私の場合はギリギリを攻めることが多いんです。
特におかっぱりの場合、限られた立ち位置からどれだけポイントに迫れるかが勝負の分かれ目とも言えます。私も年をとったのでそこまで危険なことをするつもりはありませんが(笑)、“あと一歩”が欲しいとき、安心感のある機能的なシューズを履いていることが、大きなアドバンテージになるのです。
−− シューズを含めて、川村さんのタックルに対するこだわりとは?
川村
ひと言で言えば完璧なものを使いたいと思っています。ロッドやリール、ルアーなどの直接的なタックルにしても、ウェアやシューズなどの身に着けるものに関してもそう。
本当にいいものでなければ、自分でも使わないし、人にもすすめません。たとえスポンサーの製品であったとしても、です。「難があるな」と思うものについてコメントするのはめちゃくちゃ難しい(笑)。そういう含みのあるコメントは、結局のところ相手に見透かされてしまいますからね。
ダイワ FOGLER GORE-TEX ハイカット DS-3301G 1
この「フォグラー」のように、自分がいいと思ったものを語るのはとても簡単なことなんです。正直に、全力でおすすめできますから。
「ヴィブラムを搭載したシューズなら、“もう一歩”を躊躇なく踏み出せる」という川村さん。彼にとってヴィブラムとは、目指すバスフィッシングを実現するための頼れる相棒だったのです。
−− ヴィブラムとダイワが共同開発したソールを持つフィッシングシューズ「フォグラー(DS-2301G)」。ずばり、履き心地はいかがですか。
川村
もちろんすべてのフィッシングシューズを履いてきたわけではありませんが、プロとしてこれまで数多くの靴を試してきました。その中でも、ダントツの履き心地だと思います。
−− 具体的にはどのような点が優れているのでしょう。
川村
まずは滑りにくいこと。バスのおかっぱりに関して言えば、斜めの場所を歩くこと、立つことが多いんです。ひと口に斜めと言ってもコンクリート護岸もあれば、溶岩帯や岩場のような場所もある。あらゆる路面状況、あらゆる傾斜角度に対してしっかりとグリップする、素晴らしいソールだと思います。
「フォグラー」は防水透湿性能や耐久性も含めて、トータルで素晴らしい出来栄えのシューズ。でも「この新しいヴィブラムのソール」という一部分だけを切り取ってみても、十分に履く価値があると思います。安心して水辺に立ち、安全に遊ぶために、ソールというパーツはとても重要なんです。
−− ヴィブラムを搭載した以前のシューズから、進化は感じますか?
川村
明らかに、大きく進化したと思います。グリップ力に加えて、柔軟性や軽さもきわめて優秀。釣りというシーンにより高度にフィットするカットパターンを備えた、まったく新しいソールです。このシューズの開発に携わるなかで、私自身、ヴィブラムというブランドのポテンシャルの高さを実感しました。
この「フォグラー」は昨年5月に発売され、私の周りでも着用者がじわじわと増えてきています。釣り人というのはタックルの使い勝手に関してとてもシビアな人種。効果があると聞けば積極的に試して、実際にメリットを感じれば使い続けるもの。今、確実に支持されているシューズです。
−− シューズの安全性や機能性は、釣果にも具体的な影響をおよぼすものでしょうか?
川村
必然的にそうなってくると思います。例えばですが、水辺に張り出した倒木の上に乗ることで、ポイントに近づける場合もある。プライベートの釣りでも競技でも、私の場合はギリギリを攻めることが多いんです。
特におかっぱりの場合、限られた立ち位置からどれだけポイントに迫れるかが勝負の分かれ目とも言えます。私も年をとったのでそこまで危険なことをするつもりはありませんが(笑)、“あと一歩”が欲しいとき、安心感のある機能的なシューズを履いていることが、大きなアドバンテージになるのです。
−− シューズを含めて、川村さんのタックルに対するこだわりとは?
川村
ひと言で言えば完璧なものを使いたいと思っています。ロッドやリール、ルアーなどの直接的なタックルにしても、ウェアやシューズなどの身に着けるものに関してもそう。
本当にいいものでなければ、自分でも使わないし、人にもすすめません。たとえスポンサーの製品であったとしても、です。「難があるな」と思うものについてコメントするのはめちゃくちゃ難しい(笑)。そういう含みのあるコメントは、結局のところ相手に見透かされてしまいますからね。
ダイワ FOGLER GORE-TEX ハイカット DS-3301G 1
この「フォグラー」のように、自分がいいと思ったものを語るのはとても簡単なことなんです。正直に、全力でおすすめできますから。
「おかっぱり(=岸釣り)」のバスフィッシングにおけるトップアングラーとして、第一線で活躍し続けている川村光大郎さん。インタビューの後半は、川村さんの現在の活動、釣り人としての来歴、そしてルアーメーカーの代表取締役としての、もの作りの哲学について聞きました。
−− 現在の活動の概要について教えてください。
川村
大きく分けてふたつです。ひとつは、プロアングラーとしての活動。そして、ルアーの開発に従事するルアーメーカーとしての業務です。
スポンサーであるダイワのバスプロスタッフとしてはロッドの開発、そのほかウェアやフィッシングギアのアドバイザーやテスターなどに携わっています。
−− 今回はヴィブラムを搭載したダイワのフィッシングシューズ、「フォグラー(DS-2301G)」の開発にも関わりました。その印象を聞かせてください。
川村
とても楽しかったです。靴作りというのは、プロアングラーやルアーメーカーとはまったく別の業種。「餅は餅屋」というように、これまで靴作りに積極的に関わることはありませんでした。いちカスタマーとして「もっとこういうシューズがあればいいのに」という思いは抱いていましたが。
私が代表を務めるボトムアップは、ルアー製作の会社です。例えばルアーであれば、「ここまではできる、これ以上は無理」というリミットが何となく把握できる。でも靴作りはまったくの門外漢でした。それゆえに共同開発の中ではたくさんの学びがあり、大きな刺激を受けました。
−− 前半のインタビューでも伺いましたが、「フォグラー」の出来栄えは素晴らしかったと。
川村
こういうシューズを世に出すことができて、そして自分が関わることができて本当に良かった。ルアーメーカーとしてのもの作りの考え方も同じなんですが、「すでにあるものを作る必要はない」と思っているんです。欲しいものが他社で売っていたら、それを買えばいい。
川村
つまり「今、こういう靴が売れています。だからうちでも作りましょう」という話には乗れない、ということ。より良いもの、何か新しいものを作るのでなければ、一緒にやる意味がないと思っています。
ヴィブラムを搭載したこの「フォグラー」は、現在のバスフィッシングにおいてナンバーワンのモデルだと自信を持って言えます。
−− 川村さんのプロフィールについて、少し遡って伺いたいと思います。バスフィッシングに出会ったのはいつですか?
川村
小学校2年生のときです。歳の離れた従兄弟がバスフィッシングをやっていて。そのルアーやリールなどの道具一式が、すごく格好良くて。
初めてのフィールドは自転車で行ける近所の沼で、従兄弟に連れて行ってもらいました。そこで最初のバスを釣ったんです。リリーパット(スイレンなどの浮草)の横をルアーで引いたら飛び出して、食いついて。その光景は今も鮮明に覚えています。
−− そのときのルアーも、覚えていますか?
川村
ダイワの「シースネーク」というミノー(小魚を模したルアー)でした。数年前、その従兄弟が「これ、光大郎が初めて釣ったときのミノーだぞ」と言って持ってきてくれたんですよ。当時実際に使ったのは赤色の「シースネーク」。こちらは色違いの同じモデルです。
そんな私がいまやダイワさんのバスプロスタッフを務めているのですから……釣りが導いた縁としか言いようがないですね。
−− その後社会人としてルアーメーカーに就職し、のちにご自身のメーカーを立ち上げました。
川村
ボトムアップという社名には、もの作りの底上げという意味があります。既存の製品よりも良いもの、レベルアップしたものを世に出したいという思いで、自分の会社を設立しました。自社製品についてはもちろん、今回の「フォグラー」のような共同開発のプロジェクトにおいても、同じ思いで取り組んでいます。これから先も自分たちの思いに正直に、より良いもの作りを続けていきたいと考えています。
−− 最後にヴィブラムというソールについて、川村さんが抱いているイメージを教えてください。
川村
プロアングラーとして、またルアーメーカーの人間として、私はルアーを引いたときに、そのわずかな違いを捉えることができます。またルアーを通じて水の中の状況を知覚することもできる。
手の指先と違ってそこまで敏感ではないかもしれませんが、ソールもまた、足元の感覚を伝える重要なツールです。例えば飛び石を歩くとき、釣り人は一歩を踏み出すその瞬間、石の大きさや苔や泥の付き具合、傾斜などを総合的に捉えて「行けるのか、行けないのか」を判断します。
川村
その判断を支える根本的なツールが靴であり、ソールです。ヴィブラムは信頼できる。そしてこれまで釣ってきたフィールドの中で、無意識の状況を含めて、ヴィブラムに助けられてきたシーンは数えきれないほどあるに違いない。そんなふうに思っています。
川村 光大郎
プロアングラー/ボトムアップ株式会社代表取締役社長
1979年2月14日生まれ。茨城県阿見町出身。2007年にルアーメーカーに入社。2016年7月に独立し、同年12月にボトムアップ株式会社を設立。ダイワのバスプロスタッフとしても活動。「陸王」(ルアーマガジン)4勝など岸釣り競技で無類の強さを誇る。フィールドで培った感性をルアー開発に注ぎ、メディアやイベントを通じてバスフィシングの魅力を発信している。
−− 現在の活動の概要について教えてください。
川村
大きく分けてふたつです。ひとつは、プロアングラーとしての活動。そして、ルアーの開発に従事するルアーメーカーとしての業務です。
スポンサーであるダイワのバスプロスタッフとしてはロッドの開発、そのほかウェアやフィッシングギアのアドバイザーやテスターなどに携わっています。
−− 今回はヴィブラムを搭載したダイワのフィッシングシューズ、「フォグラー(DS-2301G)」の開発にも関わりました。その印象を聞かせてください。
川村
とても楽しかったです。靴作りというのは、プロアングラーやルアーメーカーとはまったく別の業種。「餅は餅屋」というように、これまで靴作りに積極的に関わることはありませんでした。いちカスタマーとして「もっとこういうシューズがあればいいのに」という思いは抱いていましたが。
私が代表を務めるボトムアップは、ルアー製作の会社です。例えばルアーであれば、「ここまではできる、これ以上は無理」というリミットが何となく把握できる。でも靴作りはまったくの門外漢でした。それゆえに共同開発の中ではたくさんの学びがあり、大きな刺激を受けました。
−− 前半のインタビューでも伺いましたが、「フォグラー」の出来栄えは素晴らしかったと。
川村
こういうシューズを世に出すことができて、そして自分が関わることができて本当に良かった。ルアーメーカーとしてのもの作りの考え方も同じなんですが、「すでにあるものを作る必要はない」と思っているんです。欲しいものが他社で売っていたら、それを買えばいい。
川村
つまり「今、こういう靴が売れています。だからうちでも作りましょう」という話には乗れない、ということ。より良いもの、何か新しいものを作るのでなければ、一緒にやる意味がないと思っています。
ヴィブラムを搭載したこの「フォグラー」は、現在のバスフィッシングにおいてナンバーワンのモデルだと自信を持って言えます。
−− 川村さんのプロフィールについて、少し遡って伺いたいと思います。バスフィッシングに出会ったのはいつですか?
川村
小学校2年生のときです。歳の離れた従兄弟がバスフィッシングをやっていて。そのルアーやリールなどの道具一式が、すごく格好良くて。
初めてのフィールドは自転車で行ける近所の沼で、従兄弟に連れて行ってもらいました。そこで最初のバスを釣ったんです。リリーパット(スイレンなどの浮草)の横をルアーで引いたら飛び出して、食いついて。その光景は今も鮮明に覚えています。
−− そのときのルアーも、覚えていますか?
川村
ダイワの「シースネーク」というミノー(小魚を模したルアー)でした。数年前、その従兄弟が「これ、光大郎が初めて釣ったときのミノーだぞ」と言って持ってきてくれたんですよ。当時実際に使ったのは赤色の「シースネーク」。こちらは色違いの同じモデルです。
そんな私がいまやダイワさんのバスプロスタッフを務めているのですから……釣りが導いた縁としか言いようがないですね。
−− その後社会人としてルアーメーカーに就職し、のちにご自身のメーカーを立ち上げました。
川村
ボトムアップという社名には、もの作りの底上げという意味があります。既存の製品よりも良いもの、レベルアップしたものを世に出したいという思いで、自分の会社を設立しました。自社製品についてはもちろん、今回の「フォグラー」のような共同開発のプロジェクトにおいても、同じ思いで取り組んでいます。これから先も自分たちの思いに正直に、より良いもの作りを続けていきたいと考えています。
−− 最後にヴィブラムというソールについて、川村さんが抱いているイメージを教えてください。
川村
プロアングラーとして、またルアーメーカーの人間として、私はルアーを引いたときに、そのわずかな違いを捉えることができます。またルアーを通じて水の中の状況を知覚することもできる。
手の指先と違ってそこまで敏感ではないかもしれませんが、ソールもまた、足元の感覚を伝える重要なツールです。例えば飛び石を歩くとき、釣り人は一歩を踏み出すその瞬間、石の大きさや苔や泥の付き具合、傾斜などを総合的に捉えて「行けるのか、行けないのか」を判断します。
川村
その判断を支える根本的なツールが靴であり、ソールです。ヴィブラムは信頼できる。そしてこれまで釣ってきたフィールドの中で、無意識の状況を含めて、ヴィブラムに助けられてきたシーンは数えきれないほどあるに違いない。そんなふうに思っています。
川村 光大郎
プロアングラー/ボトムアップ株式会社代表取締役社長
1979年2月14日生まれ。茨城県阿見町出身。2007年にルアーメーカーに入社。2016年7月に独立し、同年12月にボトムアップ株式会社を設立。ダイワのバスプロスタッフとしても活動。「陸王」(ルアーマガジン)4勝など岸釣り競技で無類の強さを誇る。フィールドで培った感性をルアー開発に注ぎ、メディアやイベントを通じてバスフィシングの魅力を発信している。